【2025年AM4マザー近代化計画】故障したPCを修理改造してさらに5年耐えられるようにする
- NuNuPC NuNuPC
- 4月24日
- 読了時間: 12分

はじめに
こんにちは、NuNuPCオーナーのNuNuPIです。
お陰様でNuNuPCは開業1年半を迎えることができました。私は最近もっぱらこのNuNuPCのサイトの編集や新しい商品の構想、外部との提携強化やメタバースの企業導入など、デスクワークばかりで基本PCの組立などはスタッフさんに任せていたのですが、やはりPC好きとしてはキーボードではなくPC本体を触りたくて、ウズウズしてしまう。
そんな中、VRChatのフレンドさんから緊急でPCの修理依頼が入りました。このPCは他店で購入されたBTOゲーミングPCで前々からの弊社でのパーツ換装を検討されていたのですが、この度故障してしまったため、緊急で修理をする運びとなりました。
そこで今回、修理と共に前々から検討されていた改装を同時に行い、またその様子をブログで公開する許可を頂きました。
PC整備のスタッフさんからこのPCを頂き今回は私の手で整備していきます。
目次
1.まずは検品
さて、さっそくフレンドさんからのpcが到着しました。非常にご丁寧にパソコン宅急便の箱で送って頂けました。よく質問されるのですが、パソコンだから必ずしもパソコン宅急便を使用する必要はありません。マザーボードを下にして横向きに倒した状態で、丈夫な段ボール箱で送って頂ければ基本的に問題はありません。ただパソコンに対応する巨大な箱が中々無いのですね...結局現実的に考えると、1箱単位では比較的安くて、自宅までセールスドライバーが持ってきてくれるパソコン宅急便が最善の選択になります。


箱を開けるとBTOパソコンが登場しました。早速症状を確認していきます。
画面を付けてみると、会社のロゴが表示され、その後マウスカーソルだけ出てきて画面が進みません。


画面表示は正常ですので、OS周りのトラブルですね、とりあえずサイドパネルを外してみると...

なるほど、あらゆる場所に改造の痕跡が見られますね、メモリを増設していたりCurucialのm.2 ssdがついていたり、電源ユニットも元々は純正の状態でこんな良いものは付いていませんので、変更したようです。内部もPCとしては綺麗に清掃されており、少しずつ改造とメンテナンスをしながら大切に使われていたのが伝わってきます。
依頼内容としては、とにかく早急なPCの復旧&パーツ換装で、データは初期化されていても良いとのことでしたので、今回の不具合ならとりあえずOSのクリーンインストールを実施して、色々負荷テストを掛けてハード的にも不具合がないか確かめればいいかなと思ったのですが...
ふと直感的にCドライブのSSDの接触不良かな~と思ったり。
というわけでSSDを取り外して取り付けなおします。


GPUを取り外し、更にその下にあるヒートシンクを取り外して見えるのがM.2 SSDです。ヒートシンクの裏側はホコリで灰色になっておりました...
いくら丁寧に清掃を行ってもここはブラシやエアダスターも届きにくいので無理もないでしょう...
さっそくM.2 SSDを清掃して、しっかり差し込んで元に戻します
電源を入れると...
OSに正常に入れるじゃん!
(個人情報の観点から画像は省略)
てっきりクリーンインストールするものだと思っていたから、ビックリ。しかし、データがそのまま戻ってくるのであればそれは大変良いことです。フレンドさんにOSへのアクセス権限の許可を頂き、SSDの健康寿命測定やベンチマーク、ドライバーのインストールを進めていきます。
2.現状確認
内部ストレージの健康状態についてですが、ツールを使用して調べると、やはり正常な状態で書き込み容量なども全く問題のない状態になっておりました
(一応個人情報保護の観点から、SSDの健康状態のスクショは省略)
次にFFベンチマーク、VRChat想定パソコンなので、最初から高品質2840x2160(4K)画質で回してみました。
現時点では重たいです...

このパソコンの大凡の仕様ですが
CPU:Ryzen7 3700X GPU:GTX1660Super
MEM:DDR4 32GB 3200Mhz
M/B:X570Phantom Gaming 4
ストレージ: M.2 SSD 1TB(WD SN350)
といった構成になります。
今回はCPUをRyzen7 5700X3D、GPUをRTX4070Superに換装することで、現行のパソコンに追いつく追い越せな性能を目指します。
3.近代化開始!
現状のPCスペックを確認したところで、いよいよ本筋である【AM4マザー近代化計画】に着手していきます。とりあえず修復は完了しましたが、今後このような事案が発生しないよう、まずは徹底した清掃を行い、新品の時の輝きを取り戻していきましょう。
というわけでまずはCPUクーラーから外していきます。



あー、やはりAMD純正リテールクーラーは十中八九こうなります。俗に言うスッポンです。本来マザーボード側にくっついていなければならないCPUが、CPUクーラー側にくっついてしまう現象です。
「AMD Wraith Prism」クーラーを使用するときは気を付けましょう。ただ慎重に作業すればパーツが壊れることはありませんから、スッポンを恐れることはありません。
カチカチのCPUグリスがCPUのピンの中に入ってしまったので、ブラシで優しく清掃。



そしてCPUクーラーももちろん綺麗に、少し前の写真と見比べてみてください。
内部のヒートシンクに張り付いたホコリまでしっかり吹き飛ばし、ファンの微細なホコリは綺麗にふき取りました。これで「AMD Wraith Prism」本来の輝きを取り戻しましたね。

片手での作業が難しいので撮影は省いておりますが、この後ファンを固定して、強力な電動エアダスターで徹底的にホコリをPCから吐き出します。フロントファンや電源ユニットは忘れがちですがここも空気の通り道ですので、非常に多くのホコリが溜まります。入口と出口から交互に強力なエアーを送り込み、ホコリを吐き出し、エアダスターで落ちない微細なホコリは直接拭き取ります。この作業はホコリがとんでもない飛び散り方をしますので、アパートなどですと中々厳しい作業です。
さて、今回のCPU換装ではBIOSアップデートが必要です。事務所のPCでBIOSが入ったUSBメモリを作成します。

BIOSアップデートをInstant Flashを実行しようと思いましたが、Instant Flashの選択できません。
「Please go to Advanced\CPU Configuration to disable AMD fTPM switch before flashing BIOS」
と記載されている通り、AMD fTPM switchを見つけ、無効にします。
Advancedタブ > CPU Configuration > AMD fTPM Switch > Disabledに変更して設定を保存後、再起動でInstant FlashでBIOSを更新できます。
最新バージョンのBIOSではWindows11対応の為、AMD fTPM SwitchはAMD CPU fTPMに初期状態で設定されていますが、Disabledに変更しなくてもInstant Flashが使える状態になります。





BIOSアップデートが終わりましたので、Ryzen7 3700Xを取り外し、Ryzen7 5700X3Dを取り付けます(CPU並べて写真撮影するの忘れてしまった...)

次にファン、実は動作確認中から上面ファンがスバルのボクサーエンジンのような轟を響かせていたので換装します。140mmから120mmファンへのダウングレードにはなりますが、今回のPCスペックであれば、十分に冷やしきることが可能です。

最後にGPU、OEMのGTX1660SuperからRTX4070Superへの換装です。今回RTX4070Superは中古品を用いることで、予算を下げました。

取り付けた様子です、ここから最後に配線をまとめていきます...

4.結果発表
スタッフさんが別のパソコンを持ち込んだため、作業スペースを移しましたが、アップデートされたPCの完成です!裏でFFベンチマークが回っていますね。
数値、気になりますよね。

こちらが結果になります!先ほどと同じ高品質2840x2160(4K)画質です!

結果をまとめるとこのような感じです。今回の改造により、FF15ベンチマークのスコア結果は約3倍まで向上しました。GTX1660SとRTX4070Sの単純な演算性能比ですと、約2.6倍程といわれておりますので、3D-Vcash搭載のRyzen7 5700X3Dがしっかり効いてきていることがわかりますね。
VRChatはもちろん、モンハンワイルズなどの最新の重たいゲームも快適に遊べるスペックまでにアップデートされました。VRChatではさらにVram、CPUキャッシュ共に重要になってきますので、より快適性に開きが出ると思います。
見た目もGPU換装により現代風にアップデートされましたね♪

こうして今回の修理換装作業が完了しました。今回はパーツ代や工賃代金からパーツの下取りを行い、施工後の保証なども含め14万円程で依頼を受け付けさせて頂きました。RTX4070SuperとRyzen7 5700X3Dを使用しているので、これくらいにはなってしまいますが、逆に新規にこのスペックのPCを購入すると考えた場合には非常に安く仕上がっていると思います。
この構成はつい先月くらいまで普通に新品が販売されていましたし、下手な新品ゲーミングPCよりも全然構成能に仕上がっております。
こうして、名実ともに今後5年ぐらいは耐えられるPCと言えるでしょう。
※このブログの執筆時点では古物商許可証を取り下げたため、現在一時的に中古パーツの使用と下取りは停止しております。法人で再取得後、再度このような依頼を受け付けることが可能です。また、換装パーツをお持ち込みいただける場合は中古パーツの使用も可能です。
まだまだRyzen3000番台以前のCPUを使用しているユーザーさんも多いのではないでしょうか?
Ryzen5000番台は、それまでのCPUと比べて、メモリ周りの作りも良くなってゲーミング性能が向上しており、何と言っても3D-Vcash技術搭載のX3D系のCPUも用意されています。この3D-Vcash技術は、CPU側に大容量のキャッシュメモリを搭載することでゲームパフォーマンスを向上させるモデルです。
CPU換装をすれば、まだまだAM4マザーボードは戦えるということです。
もちろんこのページを参考に改造して頂くのも良いのですが、
CPU・GPU換装なんてやったことないなぁ...
スッポン怖いなぁ...
中がホコリだらけで触りたくないなぁ...
パーツの取り扱いよくわからないなぁ...
BIOSとかわからない!
そもそもPCケースを開けるのも怖い!
PC触るのめんどくさい!
という方はNuNuPCのPCお見積りからメールにてご依頼を受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください♪
今回のように、清掃や配線まで含めて責任を持って、丁寧に作業させていただきます!
...と言いたいところなのですが、メール送信って結構腰が重いですよね。
現在公式LINEの開設も進めているのですが、まだまだ時間がかかりそうなので、もしチャット気分でお気軽に連絡したい場合はNuNuPC公式Xやこの私、NuNuPIのDMやVRCアカウントまで直接ご連絡を頂いても対応致します!
NuNuPC公式X
NuNuPIのX
NuNuPI VRCアカウント
また、そもそもPCがなかったり、古すぎて換装が出来ない場合は、一応同性能のPCを紹介します。現在はRadeon搭載機のみですが、現在Nvidia搭載機も準備中です。
※メモ
AM4マザーボードで今回の換装ができる場合とできない場合
A320、B350、X370チップセット →メーカーによって換装可能な場合がある。
A420、B450、X470、A520、B550、X570チップセット →換装可能
改造を依頼してみたいけどわからないという場合でも、画像などから判別致します。お気軽にお問い合わせください。
5.あとがき
サイドパネルを元に戻し、フレンドさんにお返しする準備します。

パソコン宅急便についてなのですが、これは箱内部の敷物の中央部の空洞部分によって発生する段ボールの弾力で内部の精密機器を守るというものになるのですが、このパソコンは箱とサイズがピッタシなので、箱の端の方が支点になっており、弾力性が享受できていません。これではトラックの板バネでパソコンが破壊される可能性があります。またピッタシすぎてサイドパネルのネジが箱側面に当たるのも怖いです。

そこでパソコンの下部に大量に梱包材を敷き詰め、側面にも梱包材を充てて保護しました。これで安心です。パソコンは案外衝撃に耐えられますが、トラックの輸送による衝撃はそれ以上です。丁重に扱ってあげましょう。
私としても、パソコン宅急便のDBOXでミドルタワーが梱包できるという新しい学びを得ることができました。
それではPC君、ご安全に、行ってらっしゃい~

さて、メインの内容は書き終わったので、偶には一応学生ベンチャー社長らしい報告をしておくとこの間、母校の高専の学内アイディアコンテストを見てきました。

正直、学内コンテストでどうも低学年が中心のイベントなので、大したことはないだろうと思っていたのですがいざ見物してみると、地域社会の問題解決や食品ロスの低減や健康管理SNSなど面白いアイディアが沢山ありました。
特に一番興味が湧いたのが、動画を用いた文章デジタル化技術で、これは書類を動画で撮影し、その動画の中で一番綺麗に書類が撮影できてるコマを保存してくれるというシステムです。断裁できない本や光に弱い歴史的資料のために作成されたそうなのですが、私は写真撮影が下手でよく資料が文字ブレしているのでこれはとても嬉しいシステムですね。ここで高専生は高校生と違うなと思うのが、この手のビジネスコンテストは「ぼくのかんがえたさいきょうのびじねすぷらん」で終わる場合が多いのですが、高専生は実際に物を作ってしまう点だと思います。
いくつかのアイディアは本当にそのまま売り出せそうな勢いでした。
(実際私もDCONというビジネスコンテストでVRハプティクスグローブのビジネスプランの取りまとめ発表を行い、その結果起業支援を受けてここまで辿り着いた訳ですが...)
ビジネスコンテストといえば、私が現在NuNuAIを企業するきかっけに至ったビジネスコンテストDCONの本選発表に、私の後輩が出場することになりました。
本選はヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)を丸ごと借り切って行われる大きな会場です。
これは去年DCON2024の様子のダイジェストです。私はHaritoraXなどを販売されている株式会社Shiftall 代表取締役CEO 岩佐琢磨 氏にメンターを担当して頂き、いくつか入賞を頂けました!
さて、今年の後輩のDCON作品は...?
なんか面白そうなことをしていますね、いやまあバリバリ関わっているので知ってはいるのですが、私の指導を受けているので当然最優秀賞は頂き間違え無しですね。

2025年5月10日(土)開催なので、私ももちろん見に行きますよ!
ん?5月10日?


かぶっとるやないかーい。
しかも朝から夜までキッチリ予定が入っています。超メタフェス ~VRC大交流会~も行きたいのですが、流石にDCONの方が大切です。
そういうわけで5月10日は楽しみです。
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