Valve新ハード「Steam Machine」発表。ゲーミングPCとの違いとVRChat適性を徹底比較
- NuNuPC NuNuPC
- 11月14日
- 読了時間: 8分

Valveは2025年11月13日、新たなハードウェア製品として「Steam Machine」「Steam Controller」「Steam Frame」の3機種を発表しました。これらはSteamライブラリの活用を拡張するために設計されており、2026年初頭に日本を含む複数地域での出荷が予定されています。
本記事では、特にリビングでの使用を想定した小型ゲーミングハード「Steam Machine」に焦点を当て、その仕様や特徴を分析し、従来のゲーミングPCと比較した場合のメリット、デメリット、そしてVRChatユーザーにとっての適性について客観的に考察します。
Valveが発表した新ハードウェア概要
今回発表された3製品は、Steamエコシステム内で連携して動作するよう設計されています。
Steam Machine: 約16cm四方の小型立方体デザインを採用した、据え置き型のゲーミングハードウェア。後述する詳細スペックを備え、リビングの大画面テレビなどでのPCゲームプレイに最適化されています。
Steam Controller: 高精度サムスティック、トラックパッド、ジャイロなどを搭載した高性能コントローラー。PCやSteam Deck、Steam Machineなどで快適に動作します。
Steam Frame: ストリーミング重視のワイヤレスVRヘッドセットとコントローラー。軽量コンパクトな設計で、スタンドアロンでのプレイもサポートします。
Steam Machine 詳細スペック分析
Steam Machineは、コンパクトな筐体にPCゲームを動作させるための十分な性能を搭載しています。
機能 | 仕様 |
CPU | AMD Zen 4(6コア / 12スレッド、最大4.8GHz、30W TDP) |
GPU | AMD RDNA 3(28 CU、最大2.45GHz、110W TDP) |
メモリ | 16GB DDR5 (SODIMM) + 8GB GDDR6 VRAM |
ストレージ | 512GB / 2TB NVMe SSD (microSDカードスロット搭載) |
接続 | Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.3, HDMI 2.0, DisplayPort 1.4, USB-C (10Gbps) 他 |
サイズ | 約160mm × 160mm × 160mm(立方体) |
電源 | 内蔵200W電源 |
OS | SteamOS (Linuxベース) |
特筆すべきは、Valveが「Steam Deckの6倍以上のパフォーマンス」と公表している点です。また、AMDのアップスケーリング技術であるFSR (FidelityFX Super Resolution) を活用することで、4K解像度・60FPSでのゲームプレイをサポートし、レイトレーシングにも対応するとされています。
「Steam Machine」と従来のゲーミングPCの比較
Steam MachineはゲーミングPCのカテゴリに含まれますが、その特性は一般的なデスクトップPCとは異なります。
メリット
圧倒的な省スペース性とデザイン性
約16cm四方というサイズは、一般的なミドルタワー型ゲーミングPCと比較して非常にコンパクトです。リビングのテレビ周辺にも違和感なく設置できるデザイン性を備えています。

リビングのテレビ横に設置されたコンパクトなSteam Machine 高いコストパフォーマンス(予想)
正式な価格は未発表ですが、複数の海外メディアは512GBモデルを650〜750ドル(約10万〜11万円)程度と予想しています。同等の性能を持つデスクトップPCを自作または購入する場合と比較して、価格を抑えられる可能性があります。これは、ValveがZen 4 / RDNA 3という、最新世代(Zen 5 / RDNA 4)から一世代前のパーツを選定し、価格と性能のバランスを重視した結果と考えられます。
SteamOSによる最適化
Steam Machineは、Steam Deckと同様にLinuxベースの「SteamOS」を標準搭載しています。SteamOSはゲームに特化して最適化されており、OSのバックグラウンド処理によるオーバーヘッド(性能低下)がWindowsに比べて少ない可能性があります。
オープンなプラットフォーム
コンシューマー機(PS5やXbox)とは異なり、Steam Machineはオープンなプラットフォームです。ユーザーはSteamOS以外のOS(Windowsや他のLinuxディストリビューション)を自由にインストールできます。また、Steam以外のゲームストア(Epic Games Storeなど)の利用も可能です。
デメリット
拡張性の制限
小型筐体のため、CPUやGPUの換装といった、デスクトップPCのような大幅なアップグレードはできません。ただし、メモリ(DDR5 SODIMM)に関してはユーザーによるアップグレードが可能とされています。
電源容量の制約
内蔵電源は200Wと、ハイエンドゲーミングPC(700W以上)と比較して控えめです。これは省電力性や静音性には寄与しますが、将来的に極めて高負荷なタイトルが登場した場合、パフォーマンスの制約となる可能性があります。
VRChatユーザー視点での考察
当メディアの読者層であるVRChatユーザーにとって、Steam Machineがどのような選択肢になるかを考察します。

SteamOS (Proton) とVRChatの互換性
まず、標準搭載OSであるSteamOS (Linux) でVRChatが快適に動作するかという点です。
SteamOSは「Proton」という互換レイヤー(Windows向けゲームをLinux上で動作させる技術)を使用しています。VRChatが導入しているEasy Anti-Cheat (EAC) はProtonに対応しているため、VRChat自体をSteamOS上で起動し、デスクトップモードなどで動作させることは可能です。
しかし、PCVRモードでの安定動作は難しいと予想されます。 Linux環境下でのSteamVRの互換性や、各種VRヘッドセットのドライバサポートは、Windows環境と比較してまだ発展途上です。そのため、OS(SteamOS)側がボトルネックとなり、快適なPCVR体験を得ることは困難な場合があります。
VRAM容量に関する懸念
Steam Machineが搭載するVRAM(ビデオメモリ)は 8GB GDDR6 です。
VRChatは、特にPCVRモードにおいて、ワールドやアバターのテクスチャデータをロードするため、VRAM消費量が非常に多いアプリケーションとして知られています。
近年のVRChat向けゲーミングPCでは、快適な動作のためにVRAM 12GB以上を推奨する傾向があります。8GBのVRAMでは、高解像度設定でのプレイや、参加人数が多いインスタンス、最適化が進んでいないワールドなど、高負荷な状況においてVRAMが不足し、パフォーマンスが大幅に低下したり、テクスチャが正常に表示されなかったりする可能性があります。
このVRAM容量は、VRChatのPCVR利用において性能不足となる懸念が強い点に注意が必要です。安定したPCVR環境を求める場合は、Windows OSを別途導入した上で、より大容量のVRAMを搭載した従来のゲーミングPCを選択することが賢明と言えます。
新型VR「Steam Frame」との連携
同時に発表されたワイヤレスVRヘッドセット「Steam Frame」との連携も注目されます。
他ハードウェアとの比較
Steam Deckとの違い
Steam Deckは「携帯ゲーミングPC」であり、バッテリー駆動で外出先でのプレイを主眼としています。一方、Steam Machineは「据え置き型」であり、電源に常時接続し、より高いパフォーマンス(Steam Deckの6倍以上)でリビングのディスプレイに出力することを目的としています。用途が明確に異なります。
PS5 / Xboxとの違い
コンシューマー機と比較した場合、Steam Machineの最大の強みは「ライブラリ」と「オープン性」です。
世界最大のPCゲームライブラリであるSteamを利用でき、頻繁なセールにより安価にゲームを入手可能です。
PS PlusやGame Pass Coreのような、オンラインプレイのための月額料金が不要です。
OSの変更や周辺機器の自由度など、PCとしての側面を強く持ちます。
価格と発売時期
発売時期: 2026年初頭に日本を含む複数地域で出荷予定。
予想価格: 正式発表はありませんが、512GBモデルが$650〜$750(約10万〜11万円)、2TBモデルが$850〜$950(約13万〜14万円)程度と予想されています。
ただし、懸念材料として、AIインフラの需要増大によるDRAM(メモリ)やストレージ価格の世界的な高騰が指摘されており、最終的な価格に影響を与える可能性があります。
まとめ
eam Machineは、リビングルームでのPCゲーム体験を、省スペースかつ比較的手頃な価格で実現することを目指した据え置き型ハードウェアです。
従来のタワー型ゲーミングPCを完全に置き換えるものではなく、「手軽に大画面でPCゲームを楽しみたい」という特定のニーズに応える製品と言えます。
VRChatでの利用に関しては、標準のSteamOSではPCVRモードでの快適な動作は難しく、さらにVRAM 8GBという容量がPCVR利用において性能不足となる可能性が極めて高いです。
VRChatのPCVRモードを主目的とするユーザーにとっては、Steam Machineは最適な選択とは言えず、引き続き十分なVRAMを搭載した従来のゲーミングPCを推奨します。
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