Metaメタバース予算削減 Questへの影響と今後のVR市場動向
- NuNuPC NuNuPC
- 12月5日
- 読了時間: 5分
Meta（旧Facebook）がメタバース関連事業の予算削減を検討している。本稿では、今回の決定が「Meta Quest」シリーズやVR市場、ひいてはVRChatユーザーにどのような影響を与える可能性があるのかを分析する。
Metaによるメタバース事業の予算削減とQuestの今後の概要
2025年12月4日の報道によると、Meta Platformsはメタバース関連事業の予算を、2026年度に向けて最大30%削減する検討を進めている。
削減の対象として具体的に挙げられているのは、以下の2つの主要部門だ。
Meta Horizon Worlds: 同社が運営するソーシャルVRプラットフォーム。
Quest VRユニット: コンシューマー向けVRヘッドセットの開発・販売部門。
この削減案は、早ければ2026年1月にも実施される可能性のある人員削減（レイオフ）を含む大規模なコストカットの一環とされる。
予算削減の背景にある要因
Metaのメタバース部門（Reality Labs）は、2021年初頭から700億ドル（約10兆円以上）を超える損失を計上してきた。マーク・ザッカーバーグCEOはかつてメタバースを「次世代のインターネット」と位置づけ社名変更を行ったが、以下の要因により方針転換を余儀なくされたと見られる。
普及の遅れ: Horizon Worldsなどの利用者が想定よりも伸び悩み、収益化に至っていない。
投資家からの圧力: 巨額の赤字に対し、リソースの浪費であるとの批判が継続していた。
AIへのシフト: 生成AI（Llama等）や、より軽量なウェアラブルデバイス（AIスマートグラス）の方が、市場の需要が高く収益性が明確である。
この報道を受け、Metaの株価は一時5.7%上昇しており、市場はメタバース縮小とAI注力を好感している。
Meta Quest シリーズとVRメタバースユーザーへの影響
VRメタバースユーザーにとって最大の懸念点は、現在PCVRおよびスタンドアロンVRの標準機となっている「Meta Quest」シリーズのハードウェア開発への影響だ。
ハードウェア開発サイクルの変化
報道では「Quest VRユニット」も削減対象に含まれている。これにより、以下の事態が予測される。
新機種（Quest 4等）の発売延期: 研究開発費の削減により、次世代機のリリースサイクルが長期化する可能性がある。
ハイエンド機（Proライン）の縮小: 収益性の低いハイエンドVRヘッドセットの開発が見送られ、Ray-Ban Metaのような「スマートグラス」へリソースが集中する公算が大きい。
Horizon Worldsの縮小
競合プラットフォームである「Horizon Worlds」の予算削減は、他のVRメタバースサービスにとっては直接的なマイナス要因ではない。Metaが自社プラットフォームへの囲い込みを緩め、ハードウェア供給に専念する形になれば、VRChatなども含むサードパーティアプリにとってはプラスに働く側面もある。
しかし、VRヘッドセットそのものの普及速度が鈍化すれば、新規VRメタバースサービスの流入減少に繋がるリスクも無視できない。
今後の展望
Metaのメタバース予算削減は、同社の注力分野が「仮想空間（VR）」から「AIと現実拡張（AR）」へ移行していることを示している。
今後のMetaの公式発表および、2026年1月の人員削減の規模に注視が必要だ。
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